近年の少子化とは逆に、ペットを飼う人が増えています。今や子供の数よりペットの方が多いという報告もあり、もはやペットは生活のパートナーではなく、まさに家族なのです。
ペットとして一番多いのはやはり犬や猫ですが、彼らは長生きをしても15年前後でしょう。我が子として考えるとちょうど高校生にくらいになった年に、15年間ともに暮らしたかけがえのない存在がいなくなる悲しみは、ペットだから人よりも軽いということは決してありません。家族に癒やしや笑いを提供し、留守の間は家を守って家族の帰宅を健気に待っていたペットを手厚く弔いたいと思うのは、ごく自然なことではないでしょうか。
ペット火葬業者が増えている理由と、サービス内容について
ペット火葬を行ってくれる業者やペット霊園が増えているのは、飼い主が最後まで愛情を注いで、天国へ送ってあげたいという気持ちの表れでもあります。これまでペットが亡くなったときは、保健所に連絡をして引き取ってもらうしかありませんでした。引き取ってもらった先で合同火葬してから合同埋葬されるのですが、扱いとしては究極でいえばごみ扱いに等しいのです。もちろん、埋葬先も分かりませんし、自由にお花を供えに行くこともできません。愛したペットをそういうふうにはしたくないと思うのは、飼い主としては当然で、人と同様に火葬することを望む飼い主が増えたことが、ペット火葬を希望する一番の理由でしょう。
ペット火葬や法要については、特にはっきりとした決まりはありません。依頼した業者によって違いはありますが、ほぼ人と同じように行ってもらえます。お通夜では祭壇を飾り、葬儀までの間のドライアイスや、ペットを寝かせてあげる布団を用意してくれますので、生前ペットが好んだ場所にしつらえて、家族や親しかったお友達ペットとともに一晩見守ってあげることができます。ろうそくやお線香、好きだったおやつなどを祭壇にお供えしてお光が消えないようにするのは、人と全く同じです。
ペット火葬サービスの詳細
火葬にも方法がいくつかあり、自宅まで移動火葬車が来てくれるものもあります。ペットの大きさによって制限がある業者もあるので、尋ねてみるのがいいでしょう。ご近所に配慮して移動火葬車と分からないように来てくれるので、忙しい人や少しコストを下げたい人向けといえます。棺を用意してくれる業者もあり、自宅前や近くの空き地などで火葬を行ってくれ、時間は大体10㎏未満で40分から90分が多いようです。
霊園での火葬では、棺を用意して自宅に来て霊園まで連れて行ってくれることやマイカーで行くことも可能です。人と同様、棺に花や生前の愛用品におやつなどを入れるか、専用の台がしつらえられている場合にはペットのそばに置いて最後のお別れをします。
火葬には立会個別火葬と、ペット霊園にお任せするお任せ個別火葬があります。立会個別火葬にかかる時間は大きさによって異なりますが、火葬と葬儀を合わせて通常1時間半から2時間くらいです。ペット霊園によっては僧侶の読経も行われ、料金は火葬の中で最も高いものの、人の葬儀と全く同様にきちんとお見送りができます。
お骨は総骨をあげるか、一部にして骨壺に納めるかの希望が可能かどうか、事前に確認するのが良いでしょう。お任せ個別火葬は霊園にお任せして個別に火葬してもらう方法で、通常骨壺がセットになっています。
ペット霊園によりますが、霊園には合同墓地と個別墓地があり、どちらを選ぶかは飼い主の判断になります。他のペットたちとともに眠る合同墓地を選ぶのもいいですし、個別の墓地に、愛するペットの写真や感謝のメッセージを彫り込んだ墓石を建てて埋葬するのもいいでしょう。人と最も違う方法としては、自宅の庭に埋葬するという手段もあります。人では一般的に四十九日に納骨し、お骨を土に返しますが、転勤の多い人や、いつまでも手元に置いて供養したいとしてずっと持ち続ける人もいます。ペットの場合、いつまでに納骨しないといけないという決まりはないからです。
法要やメモリアルグッズについて
法要も、初七日から四十九日、さらに百か日や一周忌といった節目に行うこともあれば、お逮夜ごとに行う人もいるなどお弔いの方法は様々です。霊園では、仏教にのっとった法要が多く営まれます。霊園によっては、年に何度か合同で大規模な法要が執り行われることもあります。法要に参加できなくても、いつでも自由に霊園を訪れて花を手向けることやおやつを供えられますので、愛したペットとの楽しかった思い出に浸ることが可能です。
愛するペットを失った飼い主のために、写真立てやペンダントなどのメモリアルグッズを作ってくれるペット霊園もあります。そんなペット霊園で火葬・葬儀を行ったなら、ペットがいなくなった悲しみから陥るペットロスを防ぐことができるでしょう。人と全く同じ弔いという儀式をすることによって、悲しい心に安らぎを与えてくれることになるからです。愛するペットたちは、天国から大好きな家族をいつも見守っていてくれるでしょう。
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