ほとんどの動物は人間よりも圧倒的に寿命が短いですから、飼い主は必ずペットの死に立ち会わなくてはいけません。その死を乗り越えるのは辛いことでしょうが、最近ではペットをしっかりとあの世に送り出してあげることで飼い主の気持ちも和らげてくれる取り組みが増えてきています。
ペット火葬の料金について
その取り組みの中の一つがペット専用の火葬です。専用の火葬場が設立されていて、そこに電話をかけて火葬してください、と依頼すれば丁寧な仕事でもってペットを骨にしてくれます。
もちろんペットを弔う方法はそれだけではありません。土に埋めてあげたり、他の動物に食べさせたりして、自然の連鎖の中に返してあげるという方法もあるでしょう。とはいえ、人間と同じように火葬で弔うということはそれだけペットが身近な存在であったことを実感する機会でもあります。できればしっかりと天国に送ってあげたい、という人は火葬を利用するのも一つの手と言えるでしょう。
もっとも、火葬するにも業者にお願いするだけでおしまい、と言うわけにはいきません。業者も慈善事業でやっているわけではないのですから、当然料金は発生します。では、具体的にどんな費用が火葬には掛かるのでしょうか。
施設に直接行くか、それとも業者に引き取ってもらうか
ペットの火葬をするに当たってはまず簡単に二つに分けられます。一つは訪問火葬、もう一つは施設火葬です。
訪問火葬については業者に連絡をしたら、向こうから車がやってきて、ペットの遺体を引き取ってくれます。そして業者と提携している火葬場にまで連れて行き、適切な順序でもってお焚き上げをします。この際、家族は火葬場に立ち会うことはできません。火葬の一連の流れは全て業者によって行われるのです。
この形での葬儀をするに当たってどんな費用が掛かるかというと、業者の車が依頼者の家にまで行く交通費と、火葬のための費用だけで済みます。ですので比較的安価に利用できますし、近くにペットのための火葬場がない、という人にはうってつけの手段です。ちゃんと火葬が行われるか心配、という人のために一連の流れを写真に撮影して後日渡してくれるサービスを採用している会社もあります。
一方、施設火葬は直接遺族がペットの遺体をもっていきます。ですから交通費は掛かりませんが、遺族の方をもてなすための人件費やしっかりとした火葬炉を用意する必要があるため、訪問火葬に比べて費用が掛かる傾向にあります。
また、施設火葬と一口にいいましても、他のペットと合わせて火葬するか、一匹だけで火葬するかで費用もまた変わってきます。どちらのほうが費用が掛かるかといえば、一匹だけお焚き上げするほうと言えるでしょう。なぜかと言うと、火葬炉を運転するためには相当な燃料が必要になるからです。複数のペットをまとめてお焚き上げするほうが、一匹だけをお焚き上げするよりもコストが少なく済むことは言うまでもありません。また、ペットのお骨を拾う際にもまとめてお焚き上げする場合はどれが自分のペットのものか分からなくなってしまう可能性があるため、納骨は簡略化される傾向にあります。
ペットの大きさで費用も変わってくる?
また、ほとんどの業者はペットの体長や体重で火葬のための値段を変えるようにしています。大きな遺体を取り扱う際には、それに見合った大きな火葬炉を用意しなければいけません。大きな火葬炉を運転するには大量の燃料が必要になりますから、その分だけ費用も掛かってしまいます。
逆に言えば、小さなペットを火葬する分にはそこまで値段は掛かりません。具体的な例を挙げますと、ゴールデンレトリバーくらいの大きさの犬になると30kgを超える体重があることは一般的ですが、それをお焚き上げするとなるとほとんどの業者が設定している料金の最高額になります。
業者に任せず自治体にお願いする方法は安上り?
以上、業者にお願いする際に掛かる費用についておおまかに説明してきました。ここまでの説明を読んできて、ペットを火葬するにもそれなりに金額が掛かってしまうから、業者ではなく住んでいる地域の保健所などにお願いしてみようか、と考える方も少なからずいらっしゃるでしょう。
これについても自治体によって金額はまちまちになってしまいますが、少なくとも業者に比べれば安く済むのは間違いありません。もっとも、なぜそこまで安く済むかといえば、自治体は業者が行うようなサービスを取り扱っていないからです。
お焚き上げによって出てきた骨を返骨してもらうこともできませんし、火葬の過程を写真に撮ることもありません。火葬炉を運転するための費用だけが掛かります。もちろん、それだけでもペットをしっかり弔ったことにはなります。しかし、もっと手厚くペットを葬ってあげたい、というときは業者にお願いしてしっかりとしたサービスをお願いしたほうがいいでしょう。自分が置かれた状況を見直しながら適切な葬儀を行ってください。
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