ペットはいつまでも自分のそばにいてくれる、ずっと一緒に過ごしたい…そう思いたいお気持ちは分かります。ですが、いつかはお別れのときがやってきます。その際に悔いが残らないよう最期の時間を過ごすためにも、事前に準備しておくことも1つの方法になります。
ペットの死は「突然」から「ゆるやかに分かるもの」に
ペットの死は交通事故などある日突然として訪れることもありますが、近年はペットの高齢化や介護が問題となっているように、ある程度予測がつくことや覚悟しなければならない状況に陥ることもあります。最近はペットを家族としてとらえ、定期的に動物病院で健康診断を受けさせる家庭や、ガンなどの生活習慣病の闘病を獣医と連携しながら行われている方も少なくありません。その分、死期が近いことをかかりつけの獣医から知らされる場合やガンによる余命宣告を受けるなどして、心の準備をすることが可能となってきています。
また、大切に飼育された上で老衰で亡くなるケースも増えています。今まで元気に走り回っていたペットがほとんど動かなくなり、老犬や老猫の介護をするご家庭もあるでしょう。おむつを取り替え、柔らかくした食事を食べさせるなどの介助をしていく中で、「そろそろお迎えのときが来たのだ」ということを覚悟するようになります。
このようにペットの家族化や動物病院での定期健診、医療技術の進歩、高齢化による介護という状況が生まれる中で、事前にペット葬やお別れに備えた準備をする時間を取れるようになってきています。以前はペットが思いもかけずに亡くなって慌てるということが多々あったため、それと比較すると恵まれているのかもしれません。
生前相談の大切さ
亡くなったときには悲しく辛く、そのショックは計り知れません。ですが、まだ生きている内に一縷の希望を持ちながら事前に手続的な面の準備を行うことは冷静に行うことができます。逆に言えば、事前に準備ができていないと亡くなった直後に火葬業者やペット葬業者、ペット寺院などを探さなくてはならず、悲しんでいる暇もなければ、ひと時も離れたくないペットの傍に付いていてあげることもできません。
そうならないためにも、死期が迫っていると感じたり、獣医から宣告を受けた場合には最後をどのように見送るかを家族で相談して決めましょう。業者を探し、かつ生前相談をして見積もりを取って検討したり、プランなどを決めておくといいでしょう。もちろんいつ死ぬのかは分かりませんから、予約をしてお金を払うまでする必要はありませんが、事前にどの業者に頼むかを決めておくだけでも、いざ亡くなった際にスムーズな対応がとれます。
生前相談をするにあたって押さえておきたい点
多くの業者は年中無休で対応をしています。中には24時間対応をしているところもあるので、曜日や時間帯などが気になる方はそれも含めて検討し、いざ亡くなった際にすぐに対応してもらえる業者かを確認しておきましょう。年中無休でない場合には定休日なども確認して、ご家族のスケジュールと調整しておくことが大切です。たとえばペット葬のために会社を休むことが難しい家族がいる場合には、土日まで待つべきか、夜間に対応してもらえるかなどの確認を取るべきでしょう。また、進学や就職、結婚などで別居しているご家族も最後のお別れをしたいという場合、その方が戻って来られる日などを踏まえて、対応できる業者を選んでおきましょう。
生前相談をするにあたっては、自宅の近隣にペット葬・ペット火葬に対応している業者がいないか、ネットやペット仲間の口コミ情報などを通じて探し出します。複数の候補がある場合には対応している動物の種類やサイズ、そして営業日なども確認を取りましょう。そしてプランや予算を比較し、費用的に問題なさそうなところを選びます。ペットが亡くなった状態にもよりますが、数日間ご遺体の保存をするドライアイスなどによる処置が可能かなども大切です。
そのうえで、メールまたは電話にて生前相談をします。混雑状況や曜日ごとの混雑状況に違いがあるかの確認なども行っておきます。さらに一歩進んで、火葬や葬儀を終えた後の流れも考えられる余裕があれば、ペット霊園探しなども行っておきましょう。ご自宅にご遺骨を安置して弔っていく方法もありますので、霊園は必須ではありません。そのため生前に決めずに、葬儀が済んだ後でじっくり家族で話し合うこともできます。一方、まだ決めあぐねているものの、ペット霊園の利用も選択肢にある場合、業者によってはペット火葬やペット葬を利用することで、優待価格でペット霊園を利用できる業者や割引特典などが用意されることもあります。その後の流れも含めて生前相談しておくと、予算に限りがある方もその予算の範囲で最大限の弔いができるでしょう。
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